「泉」から「いづみ」へ その20
- 2006/07/14
- 02:08
「お出かけするわよ、お寝坊さん。」
みゆきさんが元気いっぱいにわたしのお部屋に入ってきました。
「智恵子さんたちは?」
「とっくにお出かけしたわよ。今日もお店があるでしょ。」
今日は初めて女の子でお買い物に行く日でした・・
「ねえ、由美さんに選んでもらったワンピース、着て行くんでしょ?」
「あのひと、これを着たところを見せに着てね、って言ってましたよね。」
「うふふ。由美さんがどんな顔するか、楽しみだわ。」
「いやだ、みゆきさんの意地悪ぅ・・」
美佳さんに言われたように、お気に入りのブレスト・フォームは諦めて、バストを刺激するっていう、例のパッドを女の子らしいデザインのピンクのブラジャーに入れました。
何かあったらいけないので、下着も少女っぽいものを着けたのです。
メイクもベースをほんの少しだけ塗って、口紅も大人しいピンクにしました。
ウイッグは・・そうだ、昨日「ミスティ」でセットしてもらったんですよね。
ウイッグを着けないで外に出られるなんて嬉しいな・・
食堂に行くと、お姉さまたちが待っていました。
「いづみちゃん、やっと今日から1日中女の子でいられるのね。どう、気分は?」
「なんかまだ実感が湧きませんけど、嬉しいのは確かです。」
「「ファンシー」と「華」に行ってみんなにいづみちゃんを見せてあげましょうね。その前に美智子さんに何かお祝いを買って行かなきゃね。」
「美佳さん、いづみちゃんにも何か持たせるんですか?」
「ひとみさん、それはいい考えね。社会人らしいところも必要だわ。」
「ティーカップなんか、いいんじゃないかしら。」
「あゆみさん、わたしのお金で買えるでしょうか?」
「いづみちゃん、別に高い物じゃなくていいのよ。」
「そうよね。気持ちがこもっていれば、相手の方にも通じるものよ。」
「いづみちゃん、予算はどのくらい?」
「5千円じゃだめですか?」
「無理する事ないわよ。千円のだって、もらっただけで美智子さん、きっと喜ぶから。」
そんなやりとりがあって、お姉さまたちと電車でお出かけしました。
一人だったら、周りの人が気になって仕方なかったと思いますけど、お姉さまたちがついているので安心です。デパートでティーカップを買いました。麻里さんが選んでくれたんですけど、みんな「それなら絶対気に入ってくれるわよ。」と言ってくれました。お値段は・・ナイショです。(笑)
それから「ファンシー」に行きました。由美さんはわたしたちに気付くとすぐにやって来てくれました。
「いらっしゃいませ、いづみさん。女の子になってもきっと良く似合うと思っていたんですよ。」
「ホントに女の子に見えますか?」
「ええ、とっても可愛らしいですよ。そのワンピースもとてもお似合いですよ。」
由美さんが嬉しそうなので、わたしまでニコニコしてしまいました。
「お姉さまたちも由美さんのセンスは素晴しい、ってみんな言ってましたよ。」
「あら、お恥かしい。今日も何かお選びしましょうか?」
「あの、わたし今日はあんまり持ってないんですけど・・」
「ご予算を仰っていただければ、その範囲でアレンジいたしますので。」
「5千円で何か買えます?」
「それでしたら、夏物の半袖のワンピースなんか、いかがでしょう?良かったらご一緒にお選びしましょうか?」
「由美さんと一緒にお洋服を選ぶなんて、楽しそうですね。」
由美さんにピンクのワンピースを選んでもらいました。少女らしいデザインで、さすが、由美さんはセンスがいいです。
「では、奥の試着室で袖を通してみてくださいね。どなたかとご一緒しますか?」
「いづみちゃん、せっかくだから由美さんに付き合ってもらえば?」
みゆきさんがこちらにウインクしました。みゆきさんったら、意地悪ね・・
試着室で由美さんと二人だけになりました。なんだかドキドキします。
「いづみさんが男の子でいらっしゃった時から、絶対似合うと思っていたんですよ。」
由美さんの前で着替えるのは恥かしいですが、思い切って着替えました。
可愛い下着を着けてきてよかった・・
「失礼ですけど、ブラの下には何かお入れになるんですか?」
「わたし、まだバストが無いので、パットを入れてるんです。」
「あ、そういう事をお伺いしたかったのではなくて、サイズが変わるのかな、と思いまして・・」
「いやだ、わたしったら・・でも女らしくなるお薬を始めたので、そのうち少しはバストが大きくなると思います。」
「いづみさん、ご苦労なさっているんですね。でも、女の子のいづみさんも素敵ですよ。」
「じゃあ今度デートしてくれますか?」
わたしは冗談のつもりだったのですけど、由美さん、顔が真赤です。
「私がいづみさんに好意を持っていた事、ご存知だったのですね。」
今さら冗談だった、なんて言えません・・
「いえ、そのぉ・・由美さんとお喋り出来たら、楽しいかなって。」
「私、今まで一度も恋人がいなかったんです。いづみさんが誘ってくれたら、どんなに嬉しいでしょう。」
由美さん、本気みたいです。ホントに誘っちゃおうかな・・
由美さんの選んでくれた、ピンクのワンピースを買いました。
「あの、社長からいづみさんに何かプレゼントして差し上げてって言われてるんです。
このエプロンなんですけど、もらっていただけますか?」
由美さんの手には可愛らしい花柄のエプロンがありました。
「頂いてよろしいんですか?美智子さんにお礼言わなくちゃいけないですね。」
「いづみさん、社長をご存知なんですか?」
「ええ、ウチの会社にもお見えになるんですよ。由美さん、良かったら今度電話してくださいね。」
「じゃ、誘っていただけるんですか?」
「由美さんが嫌じゃなかったら、いつでもお供しますから。」
「わぁ、嬉しい!いづみさん、必ず電話しますので・・」
「ファンシー」を出たら、さっそく勘のいいみゆきさんに問い詰められてしまいました。
わたしは結局事の成り行きを白状させられてしまいました・・
みゆきさんが元気いっぱいにわたしのお部屋に入ってきました。
「智恵子さんたちは?」
「とっくにお出かけしたわよ。今日もお店があるでしょ。」
今日は初めて女の子でお買い物に行く日でした・・
「ねえ、由美さんに選んでもらったワンピース、着て行くんでしょ?」
「あのひと、これを着たところを見せに着てね、って言ってましたよね。」
「うふふ。由美さんがどんな顔するか、楽しみだわ。」
「いやだ、みゆきさんの意地悪ぅ・・」
美佳さんに言われたように、お気に入りのブレスト・フォームは諦めて、バストを刺激するっていう、例のパッドを女の子らしいデザインのピンクのブラジャーに入れました。
何かあったらいけないので、下着も少女っぽいものを着けたのです。
メイクもベースをほんの少しだけ塗って、口紅も大人しいピンクにしました。
ウイッグは・・そうだ、昨日「ミスティ」でセットしてもらったんですよね。
ウイッグを着けないで外に出られるなんて嬉しいな・・
食堂に行くと、お姉さまたちが待っていました。
「いづみちゃん、やっと今日から1日中女の子でいられるのね。どう、気分は?」
「なんかまだ実感が湧きませんけど、嬉しいのは確かです。」
「「ファンシー」と「華」に行ってみんなにいづみちゃんを見せてあげましょうね。その前に美智子さんに何かお祝いを買って行かなきゃね。」
「美佳さん、いづみちゃんにも何か持たせるんですか?」
「ひとみさん、それはいい考えね。社会人らしいところも必要だわ。」
「ティーカップなんか、いいんじゃないかしら。」
「あゆみさん、わたしのお金で買えるでしょうか?」
「いづみちゃん、別に高い物じゃなくていいのよ。」
「そうよね。気持ちがこもっていれば、相手の方にも通じるものよ。」
「いづみちゃん、予算はどのくらい?」
「5千円じゃだめですか?」
「無理する事ないわよ。千円のだって、もらっただけで美智子さん、きっと喜ぶから。」
そんなやりとりがあって、お姉さまたちと電車でお出かけしました。
一人だったら、周りの人が気になって仕方なかったと思いますけど、お姉さまたちがついているので安心です。デパートでティーカップを買いました。麻里さんが選んでくれたんですけど、みんな「それなら絶対気に入ってくれるわよ。」と言ってくれました。お値段は・・ナイショです。(笑)
それから「ファンシー」に行きました。由美さんはわたしたちに気付くとすぐにやって来てくれました。
「いらっしゃいませ、いづみさん。女の子になってもきっと良く似合うと思っていたんですよ。」
「ホントに女の子に見えますか?」
「ええ、とっても可愛らしいですよ。そのワンピースもとてもお似合いですよ。」
由美さんが嬉しそうなので、わたしまでニコニコしてしまいました。
「お姉さまたちも由美さんのセンスは素晴しい、ってみんな言ってましたよ。」
「あら、お恥かしい。今日も何かお選びしましょうか?」
「あの、わたし今日はあんまり持ってないんですけど・・」
「ご予算を仰っていただければ、その範囲でアレンジいたしますので。」
「5千円で何か買えます?」
「それでしたら、夏物の半袖のワンピースなんか、いかがでしょう?良かったらご一緒にお選びしましょうか?」
「由美さんと一緒にお洋服を選ぶなんて、楽しそうですね。」
由美さんにピンクのワンピースを選んでもらいました。少女らしいデザインで、さすが、由美さんはセンスがいいです。
「では、奥の試着室で袖を通してみてくださいね。どなたかとご一緒しますか?」
「いづみちゃん、せっかくだから由美さんに付き合ってもらえば?」
みゆきさんがこちらにウインクしました。みゆきさんったら、意地悪ね・・
試着室で由美さんと二人だけになりました。なんだかドキドキします。
「いづみさんが男の子でいらっしゃった時から、絶対似合うと思っていたんですよ。」
由美さんの前で着替えるのは恥かしいですが、思い切って着替えました。
可愛い下着を着けてきてよかった・・
「失礼ですけど、ブラの下には何かお入れになるんですか?」
「わたし、まだバストが無いので、パットを入れてるんです。」
「あ、そういう事をお伺いしたかったのではなくて、サイズが変わるのかな、と思いまして・・」
「いやだ、わたしったら・・でも女らしくなるお薬を始めたので、そのうち少しはバストが大きくなると思います。」
「いづみさん、ご苦労なさっているんですね。でも、女の子のいづみさんも素敵ですよ。」
「じゃあ今度デートしてくれますか?」
わたしは冗談のつもりだったのですけど、由美さん、顔が真赤です。
「私がいづみさんに好意を持っていた事、ご存知だったのですね。」
今さら冗談だった、なんて言えません・・
「いえ、そのぉ・・由美さんとお喋り出来たら、楽しいかなって。」
「私、今まで一度も恋人がいなかったんです。いづみさんが誘ってくれたら、どんなに嬉しいでしょう。」
由美さん、本気みたいです。ホントに誘っちゃおうかな・・
由美さんの選んでくれた、ピンクのワンピースを買いました。
「あの、社長からいづみさんに何かプレゼントして差し上げてって言われてるんです。
このエプロンなんですけど、もらっていただけますか?」
由美さんの手には可愛らしい花柄のエプロンがありました。
「頂いてよろしいんですか?美智子さんにお礼言わなくちゃいけないですね。」
「いづみさん、社長をご存知なんですか?」
「ええ、ウチの会社にもお見えになるんですよ。由美さん、良かったら今度電話してくださいね。」
「じゃ、誘っていただけるんですか?」
「由美さんが嫌じゃなかったら、いつでもお供しますから。」
「わぁ、嬉しい!いづみさん、必ず電話しますので・・」
「ファンシー」を出たら、さっそく勘のいいみゆきさんに問い詰められてしまいました。
わたしは結局事の成り行きを白状させられてしまいました・・